草間吉夫さんの生い立ちと職歴

非嫡出子として生まれ、生後3日で乳児院に預けられ、2歳から18歳まで児童養護施設で育つ。

東北福祉大学を卒業後、児童養護施設の職員として勤務する。

松下政経塾に入塾し大学講師になり、その後茨城県高萩市長となる。

 

家族

は、精神疾患のため長期入院。

中学2年生のときに、マリア像のイメージとはかけ離れた実際の母親に初めて会って、ショックを受ける。

 

祖父は、元海軍将校。流麗な字の手紙を施設に送る。

立派な字を書く祖父を誇らしく思い、「きちんとした家の子」「字がうまい」ことが、自分のルーツであり、心の支えとなる。

 

少年時代の児童養護施設の思い出

他の子は、お盆と正月に親が迎えに来て帰省する。

この時期が近づくと、きつい子も表情がおだやかになる。

でもどんなに祈っても、自分は誰も迎えに来ない。

 

スピークアウトの大切さ

スピークアウト・・・思い切って言うこと。

児童福祉用語としては、「生い立ちを告白」すること。

 

「なんで、おれだけ」と思い続けてきた幼いころ、「持つものと持たざる者の違い」にコンプレックスを感じた少年時代、「家族がいるかのように偽り続けた」大学時代を経て、松下政経塾の願書で初めて生い立ちについて書き、スピークアウトの一歩を踏み出すことができた。

 

草間さんは、スピークアウトすることによって、生い立ちの呪縛と決別する一歩を踏み出すことができ、世間の偏見や無知をなくしていくことができると考える。

 

※関連する言葉

カミングアウト・・・公にしていなかった自らの出生や病状、性的指向等を表明すること。

カムアウト・・・カミングアウトの動詞形。

アウティング・・・本人の了解を得ずに、秘密を暴露すること。

 

まとめ

草間吉夫さんの講演を、11月に富山で聞くことができました。

その時、「血縁には薄くても、他人の縁に恵まれ、多くの人たちが愛情を注いでくれた。ひねくれずに育ったのは、物心つく前に施設に入って、子育てのプロに育てられたからではないか」と、話されました。

 

いくどとなく運命を呪ってきたけれど、恩師たちが呪いを解きほぐしてくれ、友人たちが心の怒りを鎮めてくれ、妻が悲しみをやわらげてくれて、「運が悪い」とはもう思わなくなったそうです。

 

いまだに、施設育ちというだけで、就職や結婚をしたり、アパートを借りたりするにも、障害となる場合が多いそうです。

また、尋問のようにいろいろ聞きだしたり、「えらいわね」と勝手に感心する人もいるそうです。

自分も、知らず知らずに傷つけることを言っているかもしれません。

多くの人が知ることによって偏見が少しでもなくなり、スピークアウトしやすくなればと思います。

 

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