教育者や評論家の話は、個人的な経験に基づいていて、科学的根拠がない

特定の個人の成功体験を一般化することは、とても難しい。

(例:息子3人を東大に入れた母親の子育て論など・・・。)

→ 個人の体験を大量に観察することで見出される規則性 = 教育経済学

 

ご褒美で釣るのは「よい?よくない?」

遠い将来の満足より、目先の利益が大きく見えてしまい、ついつい先送り行動に出てしまうものである。

(例:勉強をしたら生涯年収が上がること より 今日の楽しみ)

(例:カロリーを控えれば痩せること より 目の前のデザート)

 

→ 裏を返せば、先送り行動をさせないために、ご褒美は有効である。

ご褒美は、アウトプットよりインプットに! 

(例:テストでいい点をとったらご褒美 より 本を一冊読んだらご褒美 や 宿題をしたらご褒美 の方が、何をすべきか明確でよい。)

※ 小学生まではお金以外のご褒美がよい。中高生からはお金が効果的だが、金額の設定を間違わないこと。

※ 「勉強するのが楽しいという気持ちを失うのではないか?」という懸念は不要だが、モチベーションが高まっているときに下手にご褒美を与えるのは、かえって意欲をそぐこともある。

 

褒め育ては「よい?よくない?」

✖ 頭が良いことを褒めると意欲を失い、成績が低下する。

〇 努力を称賛すると意欲が上がる。

 

ゲームをすると暴力的に「なる?ならない?」

ロールプレイングゲームの中で暴力的な行為が行われていたとしても、それを学校や隣近所でやってやろうと考えるほど、子どもは愚かではない

(「ロックンロールを聞くと不良になる」という時代遅れの考えと同じ。)

1時間ゲームをやめさせたとしても、勉強時間は男子1.86分、女子2.70分増加するにすぎない。

(2時間以上は負の影響があるので、1時間程度の息抜きはOK)

 

幼児教育は効果が「ある?ない?」

人的資本への投資は、子どもが小さいうちの方が収益率(将来の収入)は高い。

人生の成功において極めて重要なことは、誠実さ・忍耐強さ・社交性・好奇心・自制心・やり抜く力などを人から学び、獲得することである。

特に「自制心」「やり抜く力」は、人生のかなり長い期間にわたって、計り知れない価値をもたらす。

自制心・・・計画・記録・達成度を自分で管理することで鍛えることができる。

やり抜く力・・・「能力は努力によって後天的に伸ばすことができる」というメッセージを、親や教師から定期的に伝えるとよい。

 

少人数学級は学力を上昇させる効果が「ある?ない?」

35人学級では効果なし。

20人学級は、貧困世帯には効果が大きいが、費用対効果は低い。

 

いい先生を数字で測ることは「できる?できない?」

「いい先生とは、他の集団と比較して高い点数をとれる先生ではない。

過去のその子と比較して、昨日より今日、今日より明日と伸ばしてやれる先生がいい先生である。」

 

まとめ

モチベーションが上がっているときにはご褒美は逆効果だが、下がっているときには効果がある。

幼児教育は学習面より、「自制心」や「やり抜く力」をつける方が長い期間において効果が高い。

学力の向上=生涯年収のアップ=人生の成功と仮定すると、昨日より今日、今日より明日と子どもを伸ばすことができる先生がいい先生である。

どういう学校に行っているかと同じく、どういう親のもとに生まれ、育てられたかということが学力に与える影響は大きい。」

「遺伝や家庭など、子ども自身にどうしようもできない問題を解決できるポテンシャルをもつのは教員である。」

教育経済学はあくまでも規則性なので、目の前の子どもにその方法が合うかどうかは別問題ですが、親や教員が子どもにできることがまだまだたくさんあると知っただけでも、この本を読む価値がありました。

 

☆ご褒美について・・・中学生の子どもに「テストで100番以内に入ったら5000円もらえる」「一日1時間勉強した日は100円もらえる」「10時までに課題が終わった日は100円もらえる」どれがいいか、聞いてみました。

答えは「どれが得か、よく分からない!」でした。

選択肢が3つあるのが悪いのか、それとも100円という設定がせこいのが悪いのでしょうか・・・。

私だったら、1時間かけて10時までに課題を終わらせて毎日200円ずつで毎月6000円、テストで100番に入って5000円の、全てを手に入れようとするんですけどね・・・。

 

「学力」の経済学

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